が。
その気持ちには恐らく応えてあげることのできない私。
清水くんを好きになれたら、どれだけ楽なんだろう。どうして私は、三浦さんなんだろう。
――――あの人といる時間は、短いようで長すぎたのだ。
だから私の中にあの人の存在は決して簡単には薄れるものとしては残っていない。
別れる最後まで、あの人は私を抱いて痕を残すんだから相当高い独占欲の持ち主だ。
「……いいよ。」
なら、ご飯くらい食べに行くことはしてもいいだろう。それでもし三浦さんを忘れられれば最高。
私が返事を返し、またコーヒーを喉に流そうとすれば。
「だよな、やっぱ無理………ええ!?」
「だから、いいよってば。」
清水くんは、私に断られると思っていたのか。驚愕したような顔を私へ向けて目を瞬かせている。


