「…おはよ。」

「……はい。」


三浦さんは、紫煙を吐き出しながら挨拶をしてきたけれど。今の私にそれを返すことは出来そうにない。



それは、当然のことだと思う。なのに三浦さん、貴方、なんで―――?



「体、怠かったらまだいてもいいから。」

「(……なんで、そんな悲しそうな顔するの?)」




嗚呼、もう。本気で三浦さんが見えなくなりそうだ。


平気ですと仏頂面で呟いた私は三浦さんに背を向けて乱れた着衣を整える。背中には、無言の視線をひしひしと感じるけどわざと無視した。




が、三浦さんのフローリングを歩く音が遠ざかって行ったから私もふうと息を吐き出す。

心臓が、軋んで痛い。胃まで痛くなってきたし。なんかもう、嫌。



正直なところ頭痛や腹痛がしているけど、甘えたことは言ってられない。

それに、三浦さんがどういうつもりでいるのか知らない。




だけど、私がこれ以上三浦さんの傍にいることは出来ないんだ。