三浦さんの眉根が不機嫌そうに寄り、深い皺を刻む。そんな顔されたらもうしたくない期待を抱いてしまう。
三浦さんは、煙草をベットの横の棚に置いてある灰皿に置き。
ギシリ、ギシリとわざとらしくベットを軋ませながら私に馬乗りになる。
「あー、清水くん嫌い。」
「…。」
それ前にも聞いたな、なんて意識の端で考えていれば。三浦さんは私の顔の両脇に手をつき顔を寄せてきた。
月明かりに助長され、さらに妖艶さが増す三浦さんの顔立ち。
「菫、もっかいシない?」
「なっ、…!」
「菫を感じたい。」
なんで羞恥を煽る言葉をそんな容易く言えるんだ。私は真っ赤になっているであろう顔で三浦さんを睨み付ける。
「……私を、ですか。」
「ああ。」
「(…アサノって人じゃなくて?)」
聞きたい言葉は、喉に引っかかって出て来なかった。今日、あそこまで言ったんだから躊躇する必要なんてないのに。


