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目を覚ませば、私の視界はちゃんと家具やシーツの白を捉えた。
絶対高いだろうダブルベッドの上に寝るのは、何故か私一人で。この部屋の主はどこにいるんだろうかと見回していれば。
リビングの方から、小さな話し声が聞こえた。
それは、間違いなく三浦さんのもので。
私は静かにベッドから抜け出すと、リビングと寝室を区切るドアへと近付く。
「あ?…ああ、やっぱりな。」
「(…電話中だろうか?)」
ハッキリ、一言一句聞き取ることのできる声を聞き逃さないようにと私は耳を擦り寄せる。
盗み聞きなんて趣味はないけど、この際そんなことは気にしない。
「…ふざけんな。お前も、でけー声で名前呼ぶんじゃねえよ。」
「お前のせいだかんな。」
「ああ、じゃあな゙麻乃゙。」
………アサノ?


