囚われジョーカー【完】





私は、言葉と共に鼻腔をくすぐるシトラスに無性に泣きたくなった。

なんて、仕打ち。




―――会社の子がやたら香水に詳しくて


「…女性、ですよね。」

「ああ。」



―――私香水に詳しいんですよ!

そう言っていた彼女の顔が、直ぐに浮かんできた。




どうして、私がこんなに傷つかなきゃいけないのだろう。

私が何かしたのだろうか。私はただ、三浦さんの傍にいたいだけなのに。1番になりたいだけなのに。



それがいけないの?





「…三浦さん、」

「ん?」

「今日、清水くんがスミレの花のピアスくれたんです。」

「………。」

「でも私、穴開けてなくて。今日ピアッサー買いに行こうとしたんです。」

「…で?」



三浦さんは、冷たい声で私の言葉を最速してくる。言動だけでなく、行動や態度でまで貴方は私を突き放すんですか?



嗚呼、もうどうでもいい。





全部、コワレテシマエ。