「ん?瀬尾ちゃんの?」
「はい。女子ロッカー空きがなくて、彼女こっち使ってくれてたので…。」
そう呟き綺麗にたたまれた制服を手に取り持ってきていた紙袋へ入れれば、ボーイッシュな性格の彼女を思い出した。
――――明日香さん帰ってこないかな、と小さく呟いたつもりの声は清水くんにハッキリ届いていたようで。
「篠宮、瀬尾ちゃんに懐いてたもんなー。」
「…言い方が恥ずかしい。」
「まあまあ。まだ藍沢さんがいるじゃん!」
そう言って歯を見せてあまりにも無邪気に笑うもんだから、私も口角を緩く持ち上げて微笑む。
藍沢さんは私より三歳上の先輩で、アルバイト組の中では年長さん。


