その言葉と同じタイミングで止まっていた律動を再開させる三浦さん。
身体の芯から襲ってくる甘い熱と刺激。
でも、今の私の頭の中を埋めているのは避妊具のない行為をしているという事実だけだった。
「そんな…、簡単に…」
「簡単だよ。」
「どこも、簡単なんかじゃ、ない…!」
無表情で私を見下ろす三浦さんは、律動を止めることなく優しく髪を撫でてきた。
そんな事されても、私の混乱は止まない。
愛の言葉なんて、そんなロマンチストみたいなことは望まないけど。たった二文字、私は貴方の口から聞くことが出来ればそれだけでいい。
それなのに。
それすらも言ってくれない三浦さんは、もし子供が出来てしまえばもうその事実は簡単なことだと言う。
「…っ、」
「菫。」
「呼ば、…な、いで…離れて…!」
自分の持つ力全てを三浦さんの胸板を押し返す手に込める。


