―――――――――…
―――――――…
翌日。
「どーも。」
「……、」
バイトが終わり、帰ろうとしていた私の隣に並ぶようにして一台の車が停まる。
なんだと訝しげに眉を寄せると同時、助手席側のウインドーが下がり。中から聞こえた声には聞き覚えがない、とは言い切れなかった。
もしかして、と身を屈め車内を覗いた私の視界に映ったのは。昨日振りな端正な顔立ち。
なんで、この人がここにいるんだろうか?もしかしてやっぱりスーツ弁償しろとか言いに来たの?
「バイト、終わったの。」
「…はい。」
「ふーん。じゃ、これから暇だ?」
「………、」
待ち伏せしていたのか。金なら金と、さっさと言えばいいのに中々本題に触れない音に内心苛立つ。
でも、昨日の今日。私は黙っておくのが当たり前だろう。


