へらりと笑い、しっしっと手を払う動作をする叔父さんを睨み上げ。踵を返すついでに脛を蹴ってやった。
「ッ痛あああああ…!」
「五月蠅いですよ、お客様に迷惑です。」
「す、菫え…!!!」
脛をおさえながら恨めしげに私を涙目で見上げる叔父さん。ふんっと鼻で笑い飛ばし叔父さんが指を指していた銀のトレーを持つ。
トレーの上には、綺麗なグラスに注がれたオレンジジュースとミルクティー。
見た感じ、あの二人の後ろのテーブルにいる親子の注文だろう。伝票を確認してみれば、やはり。
そう言えば、もうすぐバイトの終わる時間だ。これを運んだら叔父さんに言って帰ろう。
だんだんと足早にテーブルを目指す私。
だから、あんなことになったんだ。
「っうお…!?」
「…あ…!」
何が起こった?そう確認して現状を理解するのに十秒はかかったと思う。


