「…明日香さん、あの、」
「うん。」
「…ありがとうございました。」
お礼を言って小さく頭を下げた私に、明日香さんはにかっとはにかむ。
「全然!むしろ、秘密主義者の菫ちゃんが私を頼ってくれたこと。凄い嬉しかったし!」
こちらこそありがとう、と微笑まれ。何だか私の方が嬉しくなった。
秘密主義者って単語は気になったけど、確かにと納得。
―――――――――…
―――――――…
その後は、明日香さんの車でバイト先まで送ってもらい。明日香さんにもう一度お礼を告げて別れた。
そして、今。
「……。」
「……。」
「…あ、昨日は、ごめん…。」
「…別に。清水くんのせいじゃ、ないから。」
沈黙を作っては、またぽつりぽつりと会話を交わす私と清水くん。
頭の後ろを掻きながら申し訳なさそうに眉根を歪める清水くんを横目で見上げる。


