「私の好きな人の名前……、三浦さんっていって。三浦グループの次期社長になる人なんです。」

「え…?」



目を見開き、驚きを隠せない様子の明日香さん。

それもその筈。三浦グループと言えば大手企業。一般で生活してても名前くらいは聞いたことがあるのだから。




「三浦グループって……でも、どっちの三浦さんなの?」

「え?」


明日香さんの言っている意味が分からない私は、首を傾げる。次に与えられた事実に私は自分の三浦さんについての無知さに自嘲した。








「三浦グループの社長息子って言ったら、双子じゃなかった?」



………双子?

誰が?三浦さんが?




「菫ちゃんが会ってる、三浦さんの名前なに?」

「三浦さん、の…名前…。」



今まで気にしたこともなかった。調べようとも思わなかったし、第一三浦さんのことに深入りしちゃいけないと思ってた筈だった。