大切なもの



そこからはもう追いかけっこ。
もうみんなひどいんだ。

自分のためなら誰かを転ばせて自分が行こうとする。



そんなんならあたし、氷なんていらないや。
クーラーだって、涼しいものなんていらない。



大切なのは、仲間を思いやる心。




あたしはそう信じてるから……。




だから急に立ち止ったあたしに後ろを走ってた子が驚いた。



「あれ?いち。氷いらないの?」

あたしは微笑んで、こう答える。


「あんなに仲間を蹴落としてまで、氷なんていらないよ」


そう告げたあたしは、教室に戻った。