大切なもの



―――グイッ


「あたしたちを閉じ込めて楽しい?」

グッと顔をひきつけた。


「ヒッ……」

怯えて腰が抜けたように転んだ。
そして美波がこういった。



「あたしたちだって何もしなくてうまくなったわけじゃない。
あたしたちだって最初はへたくそ。
でも練習して……つらい練習も耐えた。
それが今の結果。
わかる?
練習もせずにただ妬んでも、あんたらうまくなれないんだよ?」

一回そこで区切った。
美波のキモチがよく伝わってくる……。


「つらい練習ばっかしてたから、一時期ソフトボールが嫌いになった。
でもあたしたちにいろんなことを学ばせてくれたのは、ソフトボールだった。だからつらくても耐え切った。スポーツやってる人が楽なわけない。楽しててもうまくなれない。ねえ、あんたたちだって変われば……、性格だって態度だって、習慣だって行動だって、人格だって運命だって、人生だって変えられる!!」

ソフトボールはあたしたちを結んでくれた大事な糸。
いろんな仲間に出会って……いろんな敵にあって。
それでこそあたしたちがいる。