大切なもの



「いちー、ペン貸して」

美波は後ろを振り返り、筆箱からシュッと取る。
サッと書いて、「ありがと」と言って、サッと戻す。

はやっ!


タカも隣で「オレもー」とか言って、あたしが持ってたペンを奪い取る。
しかもあたしが使ってたやつ……。


ちぇっ。
これ気にいってんのに!


「この色いいな」

感心したように言って、筆箱に入れる。
でしょー、と違うカラーペンを取り出す。


「どんだけペン持ってんだよ」

あたしの手から筆箱を奪い取り、わしゃわしゃとペンをごちゃ混ぜにする。
うわっ、最悪!
あたしペンの向き揃えてんのに……!



「ペンの向き揃えて入れてね」