―――次の日

あたしは鞄を持ち、エナメルを肩にかける。
なんか懐かしいなー。


「いち、おはよー。
やっぱそのエナメルいいねー」

美波は手を振りながら、走ってきた。


「おはよー美波。ありがと。
今日もかわいいねー」

ぎゅーと抱き締める。
美波はくすぐったいー、て笑った。


「朋美のとこ、行こうか?
でもどうせ寝坊だろうけど」

朋美はいっつも寝坊する。
昔朝練してたときも、インターホン押したときに起きたって言ってたな。


――――ピンポーン


「…………はぃ」

あ、この婆ちゃんのようなガラガラ声は。


「寝坊か」

ハァ、と溜息を吐く。


「すみません……」

相変わらずのガラガラ声。
まじうける。