全ての噂を流したのは、シュウだった。

俺を陥れるために。

そもそも、俺に近づいてきたのも、点数稼ぎの為だったのだ。
孤立している俺を懐柔する事が出来る。そんな話術や技術がある、と上にアピールするための。
俺はまんまとその罠にはまったんだ。

偽りの友情。

それでも、最後まで騙されていれば幸せだったかもしれない。

だが、シュウにとっての誤算は、その後の俺の存在だった。
ただ自分の手腕の対象であった筈の俺が、自らの地位を脅かすようになっていた事に気付いた時には、既に俺はかなり上の連中から注目を受けるようになっていた。

いつも冷静な判断を下すシュウが、この時は冷静さを欠き、稚拙な行動に走った。
それが、まず俺に対しての悪い噂の流布だ。
だがそれはすぐに、あまり根拠のないものだと、上の連中に判断された。
それでは俺を蹴落とせない。

あせったシュウは、更に愚かな行動に出た。