十三日間

秀悟の機嫌をとるために、コーヒーショップなんかに行かされる羽目になってしまった。
秀悟は、コーヒー派で、ブラックで飲んだりする。
僕は苦くてダメなので、ちょっとカッコイイな、とか思ってたりするんだ。
あれだよね、喫茶店とかでさ、
「コーヒー、ブラックで」
って言うと、大人の男って感じがしない?
「カフェオレ」
って言うと、やっぱお子さまっぽさが抜けないよね。

そんな訳で、秀悟はブラックコーヒー、僕はカフェオレに砂糖をしっかり入れて休憩タイムになった。

今日は、これでおしまいだ。

「秀悟、今日はほんとありがとう。明日は頑張るよ」
僕が改めてお礼を言うと、秀悟は意味ありげな眼で僕を見た。
「伶、まさかおまえ、明日もそんなんで終わりにするつもりか?」
ん?
どういう意味?
「…おまえ、明日はちゃんと告るんだろうな」

「えっっっっ!!!?」

僕の声があまりに大きかったので、店中の人の注目を集めてしまった。
頭を押さえてうなる秀悟と、店の人達にぺこぺこ頭を下げて、とりあえず謝る。
「ここここ、告るって……」
僕が動揺しているのを見て、秀悟がため息をついた。
「まさか、そのつもりなかったとか言わねぇよな?」

…………
言ったら怒られそう……

「はぁ」
もう一度秀悟がため息をつく。

「告白、しろ」
鋭い視線で睨みながら、秀悟は言い切った。