十三日間

後は、明日の僕の服装だ。

僕が持ってる服の中でも、着ていけそうな服は何着かあるけど、できればせめて上だけでも新品でいきたい。
また秀悟にはあきれられそうだけど、新しく買った服を着て、その服を初デートの思い出服にしたいんだ。

…実は僕って、ロマンチスト?

ちょっと高いけどお気に入りの服を売ってる店に向かい、秀悟に付き合って貰って服を選ぶ。
普段だったら、そんなに悩まずに買っちゃうんだけど、今日は、ここでも時間がかかる。

だってさ、やっぱり私服の第一印象は大事だもんね。

普段は割とパーカーとか好きでラフに着るんだけど、明日はちょっとキメた服にしたいし。

てことで、明日着ていく予定のジーンズに合った雰囲気のTシャツと、上に重ね着でシャツを選んだ。
2枚も…出費だけど、しょうがない。
そのシャツの色と柄で、さんざん悩んだおかげで、だんだん秀悟の機嫌が悪くなってきた。

秀悟の堪忍袋の緒が切れる前に、何とか決めることが出来て、僕は無傷で洋服を買えた。

「これでよしっと! お待たせ秀悟! 飲み物おごらせていただきます!」
当然だ、と言わんばかりの視線でギロっと僕を睨むと、秀悟はさっさと歩き出した。

日高、デートの時はまさか秀悟はこんなじゃないよね?