たまに秀悟や、他の友達と映画に行く時にも行ったことのある映画館。
よく知ってるはずなのに、改めて待ち合わせする場所を考えようと思うと、なかなかいい場所が見つからない。
いっつもは適当に集まって、チケット買って…だから、入り口付近なんてちゃんと見ないもんね。
でも、判りやすくて、待ち合わせに良さそうな場所って考えるとムズカシイ。
３往復くらいして、チケット売り場の斜め前の雑貨屋の脇、に決めた。
女の子はそういうお店なら、見てて飽きないだろうから、万が一！絶対ないけど万が一僕が遅刻したとしても、間が持つはず。
店の名前をメモして、一つ目、終了。

次に、二人とも迷っていた映画２本の上映時間をチェック。
１０分違いくらいで始まるみたいだから、やっぱり明日の混み具合で決めた方が良さそうだ。
「どっちにする？」
「ん～、やっぱり決められない、水瀬くんが決めてっ」
「それならこっちだっ！」
「水瀬くん、男らしくてステキ～」
なんてね、妄想が止まらないよぉ、やばいぞ、僕！

秀悟に横目で睨まれたから、しばし妄想は封印しておこう。

さて、どっちの映画にしても、終わる時間はちょうどお昼時。
ここからが勝負の昼飯タイム！
昼休みの昼飯とは大違いな訳だから、ここではクリアしなきゃいけない課題が山積みなんだなぁ。

店の選択。
食い物の選択。

一番の問題は店だよね～。

ちろり、と秀悟を盗み見る。

普段のデートで、どんな店に行ってるかって、聞いていいもんかな？
それくらいは別にいいよね？

と、僕が迷ってるのをやっぱり見透かす秀悟。
「俺たちの場合は、樹里が食べたいって店に行くから、大抵樹里が調べてくるから、参考になんねーぞ」
がっくり。
って、日高、マメだったんだな。

となると、どうしよう。
この辺一帯歩いてまわらなきゃだめかなぁ……。