「うっす、今日は出かけるのか?」
母さんは、土日は少し遅く起きる。
普段早起きしているので、土日くらいゆっくり寝てもいいんじゃないか、と家族全員が思っているので、母さんも安心して眠っていられるらしい。
兄さんは、土日は大抵早起きして、バイトやらデートやらに出かけるので、朝飯は兄さんが作っていた。
マメな人だ。
だから、彼女がひっきりなしにいるんだろうなぁ。

「おはよう。今日は友達と買い物」
僕はそう言うと、シャワーを浴びに向かう。
「…あんまりひどかったらさ、一度病院とか行ってみるか? ほら、無呼吸症候群とかさ、もしかしたら気づいてない病気とかのせいでうなされるのかもしれないし」
さらっとした口調で言ったけど、多分兄さんなりに考えてくれてたんじゃないかな。
「…うん…。まぁ、もう少し様子を見てみるよ、ありがとう」
「そっか。んじゃメシ、ここにおいとくから、ちゃんと食ってけよ」
「うん、ありがと」
僕は弱々しく答えた。

兄さんも、気にしてくれているんだな。
これだけ毎日だったら、心配もするか…。

僕は、情けなくなりながらも、家族の心配がありがたかった。