教官に頼み、そういった内容の教育が出来ないかを相談してみた。
眠る時間を削り、また、同じ教育生が何人か参加して、ディスカッション方式でやるのならば可能だと言われた。

そこで俺は、その回答をヤツに話してみた。
「…それはいい教育だね…。是非参加させてもらいたい。あと数名で実現するというのなら、私が何人か声をかけてみよう」
あっさりヤツはそういうと、事実、翌日にはあと３名を集めてきた。
どいつも、俺が出来るとふんでいた連中だ。

…見る眼があるな。

自分をさておき、俺はそうヤツを評価していた。

結果を教官に報告し、早速その日から別教育が始まった。

眠る時間は減ったが、その分充実していたと思う。
今まで俺が思い付かなかったような様々な意見が出され、考え方、その考え方への導き方など、思考についてのあらゆる事を学ばされた。
俺たちの意見交換は、しょせん同じ境遇で育った者同志なので、根本が同じだ。だが、そこにやはり個性が出て、それはそれで面白かった。
だが、一番の収穫は、男の考え方と女の考え方が別の生命体であるかのように違いが有ることを知ったことだろう。
脳の仕組みからして違うのだというから、驚きだ。
そして、育ちや、ＤＮＡレベルでの思考の違い。

今までの教育とは一線を画したこの教育は、今後の俺にとってかなりプラスになるであろうことは容易に想像がついた。