十三日間

最初に話しかけてきて以来、ヤツは事あるごとに俺に話しかけてきた。
他の連中と接する時と同じように、いつも俺は最低限の返事しか返さないというのに、ヤツは懲りることがなかった。
いつも「親しげ」に話しかけてくる。
今までにも、そういった連中がいなかったわけでもない。
が、大概は俺の態度に愛想を尽かし、そのうち話しかけてこなくなっていった。

だが、ヤツは違った。

俺の返事におかまいなく、何かと話しかけてくる。
そのうち、一緒に飯を食うようにもなってきていた。
たいした量の食事ではないから、皆すぐ食べ終わる。
なのに、そのわずかな時間、俺の側に必ず居るようになっていた。

うっとうしい。

これが、俺の最初の感情だった。
他人が側にいると、自分の思考に溺れるのに気が散る。

俺は、教育以外の時間は、半分は頭を休め、半分は覚えたことをすぐに反芻するのに費やしていた。
だが、ヤツが側にいることで、どちらの時間も邪魔されている気がした。

自然と、俺のヤツに対する態度は、次第に邪険になっていく。
それでも、ヤツは俺の側に来ることをやめなかった。