じぃさんのおかげで、思い出したくないことを思い出してしまった。

俺が一度だけ、友と呼べる者を作ろうとした時のことだ。

だが、あの経験のおかげで、俺は二度と他人に心を許そうとは思わなくなったから、俺にとってはいい経験だったと言えるのかもしれない。

…だが、もし、ヤツが本当に俺の友となっていたら、俺の心には、もっと救いがあったかもしれないのでは……。

いや!

そんな事は考えたくない。
俺は、俺のままで良かったと思いたいんだ。

他人に心を許そうと思った俺が甘かった、と。
信じようと思ったことが間違いだった、と。