十三日間

日高と話をしていた筈の秀悟は、ちゃんとこっちの状況を見ていたらしい。
「へぇ、大木、わざわざ買いに行ったのか?」
と、ちゃかし気味に会話に割り込んでくる。
「わざわざっていうか…。自分の買いに行くのに、ついでに。ね? 樹里」
ちょっとあせって大木みくるが日高に話をふる。
「そうそう。あたしも興味あったから、みくると一緒に買いに行ったの」

そうかぁ、わざわざじゃないのかぁ。

ちょっと残念だったりして。

「でも、ありがとう。改めてお礼しようと思うけど、とりあえず何か飲み物でもおごるよ。購買まで付き合ってよ」

おおお!
すごいじゃないか、僕!
ちょっと、いい感じじゃない?
『あらためてお礼』=次に口実をつけられる
『とりあえずおごるから購買まで』=二人きりになれる!

すんばらしい!
機転もきくようになったなぁ!

「あ、ごめん。食べ終わったら図書館に本返しに行って、そのまま教室移動しようと思ってるの。また今度でいいよ」

えええええ??
ここまで来て撃沈~~??

ものすごぉくがっくりしてるのを悟られないように、
「そう? 判った、じゃぁ、また今度ね。…これありがとう、早速今夜使ってみるよ」

スマイル!
爽やかにスマイルっ!

…こうして僕の昼休みは……

…終わった………

うぇえええん