逃げる気もなかった俺は、その場で捕らえられ、ここに連れてこられた。

彼らを殺した動機については、彼女への横恋慕のせいだと言い、任務の件は勿論秘匿した。

目撃者こそなかったものの、状況証拠が全てを物語っている。

俺は、十三日間の拘留の末、絞首刑になることが確定した。

連中からのコンタクトは一切ない。

当然、仕事を失敗した俺は、そのまま切り捨てられる運命にあった。
彼らの擁護により、助けられる望みはない。

俺だって、そんな事は期待しても、望んでもいなかった。

十三日後、俺は彼女のもとに行く。

それで、いいと思った。



…彼女の名前は、ミライ、と言った。