僕は、それを説明するのは難しかったので、とりあえずの原因を言ってみることにした。
「夢、なんだ」
「夢? おまえが毎日うなされてる?」
「うん。なんか、その夢の内容を唐突に思い出した、っていうか…」
「…その夢の中で、俺とおまえは何かあるのか……?」
イヤそうに顔をしかめて、秀悟が聞く。

それはそうだろう。

倒れる前のセリフが、
「秀悟は、僕の、友達だ!」
だもんね。
秀悟と僕に何かあったのかと思うよね。

「そこは、思い出せないんだ。でも、夢の中に出てくるのは秀悟じゃないと思うから…だから、秀悟は、僕の友達だから大丈夫、って意味なんじゃないかと?」
言ってて僕も混乱してきた。

「まぁ、俺のせいじゃないならいいんだけど」
少しホッとした顔で、秀悟がそう言った。
「なくす前に、ネックレスつけとけよ」
秀悟に言われて、僕はあわててハンカチに包まれたネックレスを取り出すと、首にかけた。
ハンカチを秀悟に返す。
「…ありがと。心配かけてごめん」
僕がそう言うと、秀悟はちょっと照れたように笑った。