十三日間

しかし、さすがに終わった頃には疲労困憊。
久々にぐったりしてしまった。

帰り際、部室で、着替えをしようとウェアを脱いだ時、秀悟が僕の方をじっと見てるのに気付いた。
「なに?」
と、さりげなさを装って聞いてみたものの、秀悟が何を見てるのかなんて、判りきってた。

…僕のネックレス。

ホント言うと、ぼくはもっと見せびらかして自慢したかったので、秀悟が見てるのに気付いてかなり得意げだった。

「それさ、よく見せてくんねぇ?」
めずらしく、秀悟が遠慮しがちに言う。
僕は、もちろん内心大喜び、表面上はしょうがないなぁ、って顔でネックレスを首から外す。
「はい」
秀悟の手に渡した。
「さんきゅ。さすがに大木の前で、はずして見せてくれって言えないし」

…こういうとこ、秀悟って女の子心理もわきまえてるよなぁ。だからモテるし、日高ともうまく続いているんだろうな。

僕も、見習わなきゃ!

彼氏として先輩の秀悟に、彼氏心得でも教えて貰わなきゃな、と思って秀悟の方を向いた時。

……!!

僕は、凍り付いたように動けなくなった。