十三日間

昼休みは、もっぱら日高がみくるちゃんを質問攻めにして、それにみくるちゃんが答える形で、僕らの昨日の話は終わってしまった。

僕サイドの話を聞き損なった気がしたんだろう、秀悟は、放課後になるとすごい勢いで僕のところにやってきて、
「さ、伶、部活部活!」
と僕を引っ張っていこうとする。
「ご、ごめんみくるちゃん! 今日は部活、帰りが遅い日だから、先に帰っててね。終わったらすぐメールするから」
僕が、秀悟に引っ張られながらそう言うと、みくるちゃんは、
「ん、判った。頑張ってね!」
とにっこり笑って手を振ってくれた。

あああ、めっちゃ彼氏気分なんですけどぉ!

にやけた僕が、秀悟に引きずられるように去っていく姿を、みくるちゃんが見送ってくれた。…不適な笑みを浮かべながら、みくるちゃんの腕をしっかりと握っている日高とともに。

…きっと、帰り道は二人して、どっかで甘いモノでも食べながら、僕の話で盛り上がるに違いない。

何を言われるのか、本気で不安な僕だった。