「おはよう………」

また寝汗をかいたので、シャワーを浴びに向かう。
普段の僕は、そんな事はあまりしたことがなかったので、さすがに母さんが心配そうな顔になって声をかけてくる。

「大丈夫、伶ちゃん? 顔色悪いし…。あなた夜中にうなされてなかった?」

僕の声は、部屋の外にまで聞こえる大きさだったのか。

「うん、大丈夫。変な夢を見ただけだから。シャワー浴びてくる」
母さんにそう言うと、僕は浴室に向かった。

熱い湯を浴びながら、僕はため息をつく。
昨日の夜寝る前は、とても楽しい気分だった。
今日の昼飯の事を考え、大木みくるになんて声をかけようかって作戦を練って。

きっと楽しい夢が見られるとまで思っていたのに、今朝のこの気分はどうなのさ?

段々、妙に腹が立ってきた。
何に対してかは判らないけど。

しかし、こんなではいけない!
今日は頑張らなくてはいけないのだ。

シャワーで汗とともに、イヤな気分も洗い流す。

よし、今日はがんばるぞっ!