十三日間

そうして、僕らは一つずつ、お互いの色のネックレスを持って、レジに向かった。
買ってその場で、
「すぐ使います」
と言って、値札を外して貰う。
会計が終わると、お互いのを交換して、その場で着けてみた。
まわりにいるカップルが、横目で僕らの事を見て、何か言ってる。

へへへ、うらやましがってるんだなっ。

僕は、見せびらかしたいのをぐっと我慢した。

「いぃだろ~、お揃いのペンダントだぞ~。今日が初デートで、記念にお互いにプレゼントしたんだ!」

…って、ホントは大声で言ってまわりたいくらいなんだあ!

見ると、みくるちゃんは、自分がしてきたネックレスを外し、僕がプレゼントしてあげたネックレスに付け替えていた。
今日の服装には、ちょっとごついデザインだけど、真ん中の石のピンクが可愛いから、似合っていた。
制服でつけていても、きっと似合うだろうな。
うん、僕も似合うに違いないっ!

みくるちゃんが「どう?」という感じで僕の方を見たので、
「すっごい似合ってる!」
と、満面の笑みで答えた。
そうそう、ニヤケ笑顔じゃなくてね、もちろん爽やか彼氏笑顔で、ね。

「嬉しいな。伶くんも似合ってるよ」

くっっ。
そのセリフと笑顔は反則だっ。

僕はまたニヤケヤローに変身する羽目になった…。