十三日間

「あのね、これなんだけど…どうかなぁ?」
みくるちゃんが手にしてるのは、ネックレスのようだった。
「…えっとぉ、お揃いでつけたいなぁ、なんて…」
めずらしく赤くなりながら、ちょっとしどろもどろになって、話しかけてくる。

こんなみくるちゃん、見たことないや…。

なんだろ?
これが『恋人同士』ってやつかい?
彼氏にだけ見せる表情…みたいの?

僕は初めて見るみくるちゃんの表情に、ドキドキしてしまっていた。
なので、みくるちゃんが手にしているネックレスを、最初ちゃんと見ていなかったんだ。
ようやく、みくるちゃんの顔から目を離し、その手に持っているネックレスを目にした時。

「…あれ?」

僕は思わずそう言っていた。
「どうしたの?」
みくるちゃんが聞いてくる。
「これ、見たことある気がするんだけど…」
僕は囁くように呟く。

ネックレスなんて興味がなかったから、見覚えがある筈もないんだけど…。

どこかで見た、気がするんだよね…。
何かの雑誌で見た?
ううん、もっと間近で見た気がする…。
秀悟か誰かがしてたのかな?

僕は、それを手に取ってみた。