「レイ、君が私のネックレスを、時にうらやましげに見ていたのは知っていた。だが、まさか盗むとは……」
シュウが、無念そうに俺に対して言う。

…どういう、事だ?

俺はそもそも、シュウがネックレスを身につけていたことすら知らない。
気付いていなかった。

……?いや、違う、一度観たことがある。
そうだ、思い出した。

シュウが俺に対してよそよそしくなってきた頃だ。
首元から下げていたネックレスを、そっと出して指でいじっていたのを観た。そして、俺がそれを観たのに気付くと、慌ててしまったんだ。

だが、何故それが俺のスペースで見つかるんだ?
何故それを、上の連中がここに、探しに来るんだ?

俺は、頭をフル回転させた。

その間にも、上の連中は俺に対して言い募る。
「とりあえず、レイ君には懲罰房に行って貰おう。その後の処分については、また追って
通達しよう」
これで終わりだ、と言わんばかりに言い捨てると、奴らはその場を去っていった。

後に残されたのは、俺と、シュウ、そして野次馬連中。

シュウは無念そうな顔を俺に向けた。
「まさかそんな事をするヤツだったとは…見そこなったよ…」
心底残念そうな顔をして見せた。

だが。