「や…あの、だ、大丈夫です。お構いなく…」 初対面からの緊張とお酒のせいで、舌が回らない。 「そう?なら良いけど…」 必死な私に、彼は笑ってから安心したように言う。 ただでさえお酒で赤くなった顔に熱が集まるのを感じてうつ向く。 私には少し気になることがあった。 彼の言葉は、イントネーションが違う。 標準語のようで、そうじゃないその話し方は妙に心地良かった。