そして立ち上がって私の方に歩いてくる。
「お前、名前なんていうの?」
さっきの紳士的な口調とは打って変わって、きつい口調で言ってくる。
「えと…中平 愛、です…。」
「ふうん…。お前、今日まで俺のことしらなかったんだ。」
私の前までやってきた澤城君は仁王立ちして椅子に座った私を見下ろして言う。
「まあ…そういうことになりますね。」
と曖昧に返す。
「俺さ、一応学校内…いや、家族の前以外では王子様、っていうことになってるからさ…もしさっきの独り言とか、お前にばらされたりしたら面子丸つぶれ。株ガタ落ち。」
「は、はぁ…。」
「しかも、俺のこと知らない女がいたってことでかなり俺のプライド傷ついたし?」
「はぁ…。」
「今から口止め兼お仕置き、しようと思うんだけど。何されたい?」
「は、は…!?」
