すごい音は、教室のドアからだった。
そしてまたばぁん!!と思いっきりドアを閉める男子生徒がいた。
男子生徒は息を荒くして、ぺたんと床に座り込んだ。
声をかけようとしたら、その男子生徒はぶつぶつと独り言を言い始めた。
「ったく…なんだよ、あいつら。俺は誰とも約束なんかしてねえっての。勝手にいってるだけじゃねえか、俺のせいにすんなよ…。ていうかあいつら妄想激しすぎるだろ。誰が彼女だ。お前らの彼氏になんかなるわけねえだろうが、ブスっ。…あああああ、むかつく!!」
どうもなにか女がらみでいろいろあったと推測できる大きな独り言をいっていた男子生徒…もう山田くんにしちゃおう。
山田くん(仮)は廊下から足音と同時に聞こえてきた女子生徒の声に一瞬びくりとした後、ため息をついて、ふと顔を上げた。
そして、山田くん(仮)の方を見ていた私と、目が合ってしまった。
「(あ、すごい美少年…。)」
見た瞬間、そう思った。
誰もが見たらそう思ってしまいそうなきれいな顔立ちだった。
