恋人という名のゲーム

「リサーチ済み。喜んで教えてくれる子がいるでしょ?」

あゆだ。今やっている企画展がすごく見たいからこの美術館に行きたい、と漏らしたことがある気がする。

だけど電車で行くには億劫で、あきらめていたのだ。



「ありがとう…」

純粋に嬉しいし、テンションがあがる。


車からおりてふと久我くんを見ると、妙に驚いた顔をしていて、それから、見たこともないような優しい笑みを浮かべた。



「そういう顔が、見たかったんだ」