「お願い。既成事実つくっちゃおうみたいな超肉食の女性とかもいてさ、本当に困ってるんだよ。俺のこと助けると思って、頼むよ」 眉を下げて、両手を合わせて拝まれる。もう、どうにも引き下がれない状況に追いやられている。いつの間に、久我さんのペースにされてしまったんだろう。 「ふり、ということなら…」 「ありがとう。助かるよ」 きらきらした笑顔を向けられて、私は脱力するほかなかった。