家庭科室の甘い味

私が悩んでると


「拓真、行ってくるね。……って、アンタ何むくれてるのよ」


リビングに戻って来た未来さんは、リビングの入口から呆れて拓真を見ている。


「別に」


拓真は未来さんの顔を見ずに答えると


「まぁ、いいわ。拓真、遅くならないうちに、ちゃんとはるかちゃんの事、送りなよ!
じゃ、はるかちゃんまたね」


そう言うと、未来さんはバタバタッと家を出て行く。


未来さんが、家を出ていくと


「はるか先輩、お腹すいた!」


さっきまで拗ねていた拓真が急に笑顔になる。


えぇぇっ!?


拓真、拗ねてたんじゃないの!?


って聞いて、また拗ねられるのも嫌だし。