家庭科室の甘い味

未来さんとは、前に一度だけ会った事がある。


そして、拓真と何やら言い合っていたけど、私に気付くと


「あっ、はるかちゃん。久しぶり」


にこっと笑ってくれる。


「あっ、お久しぶりです」


やっぱり、未来さんと会うと緊張する。


私がドキドキしていると


「はるかちゃん、ごめんね。ご飯まで作ってもらっちゃって」


未来さんが申し訳なさそうに言う。


「いえ、私こそすみません。お台所借りちゃって……」


その時――…


プルルル プルルル……


「姉ちゃん、電話鳴ってる」


未来さんの携帯が鳴り、拓真は未来さんに携帯を渡す。


「ありがとう」


そして、バタバタッと未来さんはリビングを出て行く。