家庭科室の甘い味

「何でもいいって、困るんだけどなぁ……」


私が悩んでいると……


ん?


なんか、視線を感じる。


顔を上げると、拓真はじっと私を見ていた。


「ん?何?」


「いや、先輩、可愛いなって思って」


えっ?


何っ、急に!?


「ちょっ……。な、何、言って……」


私は、拓真の言葉に真っ赤になってしまった。


「思った事を言っただけだよ?」


拓真はそんな事をさらっと言う。


そして、可愛い笑顔を見せる。


「バカ……」


私は、恥ずかしくなり俯いてそう呟くと、拓真の腕をぎゅっと掴む。