家庭科室の甘い味

私はドキドキしながら待っていると


「はるかぁー!拓真くん、迎えに来てくれたわよー!」


下からお母さんの呼ぶ声が聞こえる。


「はっ、はぁーい」


コートを羽織り、拓真へのプレゼントとケーキを持ち、下へ降りる。


私が降りると、お母さんはすごく楽しそうに拓真と喋っていた。


拓真もにこにこしながら答えている。


「お待たせ」


お母さん、余計な事言ってないでしょうね!


そんな目で、お母さんを見ると


「今度は家へいらっしゃい」


私の視線を気にせずに拓真を見て言う。


「はい、また今度、お邪魔させてもらいます。今日はすみません。はるか先輩をお借りして。
遅くならないように気を付けますので」


拓真がお母さんにペコッとお辞儀をする。