家庭科室の甘い味

―クリスマスイブ―


夕方まで部活の拓真。


だから、私は待っている時間にケーキを焼く。


前に、部活でチョコのシフォンケーキを作った時。


拓真はおいしそうに食べてくれた。


だから、ケーキはそれを作る事にする。


そして、焼き上がったケーキをラッピングし、拓真が来るのを待つ。


ブーッ ブブーッ……


『今から迎えに行くね』


拓真からのメール。


『うん、待ってる』


私はそう拓真にメールの返信をすると、急にドキドキしてきた。


クリスマスを一緒に過ごせる嬉しさと、拓真の家に初めて行ける、わくわくさと……


あの時は何も考えていなかったけど、そういえば、今日、拓真の家で二人っきりだ。


もしかして、私ってかなり大胆な事を言った?


そんな事を考えたら、すごく緊張してくる。