家庭科室の甘い味

いつも、部活終わりの試食の時間と、登下校でしか一緒にいれない。


拓真はほぼ毎日部活だから、どこかへ出掛ける事もない。


だから、どこかへ出掛けたい気持ちもあるといえば、あるのだけど。


でも、拓真の家にも行った事はない。


だから、“拓真の家に行ってみたい”って気持ちもある。


「その日さ、ご飯を作ってもいい?」


落ち着きを無くしている拓真に、私はにこっと笑いかける。


「えっ?ご飯作ってくれるの?」


「うん」


「マジで?楽しみにしてるね!」


拓真はすごく嬉しそうな顔をしてくれた。





料理部の部活がない日――…


いつも、拓真の部活が終わるのを待っている私だけど


「ごめん!今日ちょっと用事があるから先に帰るね!」


朝、拓真と一緒に登校している時に伝える。


そして、私は学校帰りに寄り道をして、拓真のプレゼントを探しに行く。


あるスポーツショップに入った私は、そこで拓真へのプレゼントを選ぶ。