「部長が、遅くなりそうだから、鍵よろしくって言って、先に帰ったよ!」


茜は、そう言いながら私達に向かって鍵を見せる。


拓真の相手をしながら片付けをしていたら、いつの間にか他の部員達は帰っていた。


「ごめん!って、拓真っ!帰るから立ちなさい!!」


だけど、拓真はぷいっと顔を背ける。


こっ、こいつ……


「もう!いつまでケンカしてるの」


茜は呆れて私と拓真を見ていたが


「私、先に帰るから。はるかは拓ちゃん連れて帰りなよ!」


そう言うと、鍵を置いて茜は帰って行った。