「何のケーキ焼こうかなぁ?」


「拓真が甘いの苦手だから、私は甘くないのを作るけど……。茜、クリスマス前に一緒に作る?」


茜は料理が苦手。


長谷部先輩と付き合い出す前までは、部活中、いつも私の手伝いだけをしていた。


でも、長谷部先輩と付き合うようになってからは、一人で作って、わからない事があれば聞いてくるようになる。


だから、聞いてみたのだけど……


「ううん。一人で頑張って作ってみる!ありがとう。あっ、でも、何を作るか決めたら、気を付けなきゃいけない所教えてね!」


そう言いながら、茜はにこっと笑う。


茜、一人で頑張るんだ。


茜、長谷部先輩と付き合うようになって変わったな。


私は茜を微笑ましく見る。


っていうか、結局、拓真に何をあげたらいいか、相談できなかった。