家庭科室の甘い味

「うるさいっ!」


真っ赤になっていた長谷部先輩に腕を引っ張られ、私はバランスを崩してしまった。


そして、


私は、そのままラグマットの上に倒れ込み、長谷部先輩は上から覆いかぶさるカタチになる。


えっと…


えぇっと……


私の頭は混乱していた。


私の目の前にある長谷部先輩の顔が真剣な表情に変わり


「茜ちゃん…」


いつもの声よりも低く、かすれた声で呼ばれ。


私の心臓もそんな声に反応し、また煩く動き始める。


そして、長谷部先輩に見つめられ、動く事が出来なくなった私は、じっと長谷部先輩を見つめ返していた。