家庭科室の甘い味

しばらく歩くと


「俺ん家、ここ」


そう言うと、私は連れられて中へ入る。


「お、お邪魔します……」


私は緊張しながら中に入る。


「親、共働きだから、今いないよ。2Fの手前の部屋が俺の部屋だから、入って待ってて」


そう言うと、長谷部先輩はリビングの方へ行く。


親がいない?


っていう事は……


長谷部先輩と二人きり?


長谷部先輩と一緒にいる事にただでさえ緊張していた私。


そんな私の心臓はますます煩く動き出す。


私はドキドキしながら、2Fへ上がり、手前の部屋に入る。


長谷部先輩の部屋は綺麗に片付けられていて、本棚にはたくさんの本が並んでいる。


長谷部先輩って、どんな本読んでいるのだろう……


私が本棚に近付いた時。


ガチャ――


長谷部先輩がコーヒーを乗せたお盆を持って、部屋に入ってくる。