「せんぱい?」


どうしたんだろうと、声を掛けると


「まっ、座れよ……」


長谷部先輩は、さっきまで山川部長が座っていた席をポンポンッと叩く。


「はい……」


座ったのはいいけど、その席は、長谷部先輩との距離が近くて、私はすごく緊張する。


「あっ、あの……。上手く出来ているか、わかりませんが……」


私は恐る恐る長谷部先輩の前へパンを出す。


「ありがとう」


長谷部先輩はすごく嬉しそうに、パクッと一口食べた。


私は長谷部先輩の隣にいてのドキドキ。


それと、初めて作った物を長谷部先輩が食べている。


そんなヘンな緊張のドキドキが混ざっていた。