へっ?


……、えぇっー!!


先輩、今、何て言った?


私の作ったやつ?


私、今、作るの苦手って言ったよね?


なのに何で?


私が料理が得意なら、好きな人に食べてもらいたいって思うかもしれない。


だけど、私、料理苦手だから、そんなおいしくない物を好きな人に食べてもらうなんて。


そんな事して、嫌われたら……


「えっと……。でも……、私、下手だから」


私がなんとか断ろうとする。


「下手でもいいよ。茜ちゃんが、作ったのが食べたいんだ。ダメかな?」


長谷部先輩はさっきまでにこにこ笑っていた表情と違って、なんかシュンとした表情になっていた。


好きな人にそんな表情で


“茜ちゃんが、作ったのが食べたいんだ”


なんて言われたら


「はい。作ってみますね?」


としか言えない。