「あっ、私の家……、ここです」


いつの間にか、家の前に着いていた。


そして、それと同時にすごく寂しい気持ちになる。


だって、こんな風に一緒に帰る事はもうないのだから。


今日は、たまたま。


きっと……


「あっ、あのっ。今日は送って下さり、ありがとうございました」


私は深々とお辞儀をする。


「いや、いいよ。なぁ……、今度さ、茜ちゃんが作ったやつ食べさせてよ」


顔を上げると、長谷部先輩はにこにこしている。